原田ひ香が描く神保町の食と文学、揚子江菜館の上海式焼きそばを食す

本に出てた場所に行く

 神保町は文学好きと美食好きが集まる街。
 作家、原田ひ香は著書「古本食堂」シリーズの中で、神保町を舞台に古書と美味しいものがあふれた物語を描き出し、実在する飲食店や旨いものを作中でいくつも取り上げています。
 今回、私は「古本食堂」第5話の中に出ていた中華料理店「揚子江菜館」に実際に行って『上海式焼きそば』を食べて来ました。その様子と小説「古本食堂」の概略、この本で紹介されているその他のお店もざくっとご紹介します。

「ほら、そこの中華の⋯⋯揚子江菜館の上海式肉焼きそば、買ってきてくれない?あれを食べたい気分なのよねえ。建文君も良かったら同じのを⋯⋯」
「あれですね、池波正太郎がお気に入りだった焼きそば! 食べてみたかったんですけど、ちょっと高いからまだだったんですよ」
急に、笑顔になる。やはり、食べ物の力は偉大だ。
あたしは引き出しから自分の財布を出すと、三千円を彼に渡した。

原田ひ香著「古本食堂」第五話 『馬車が買いたい!』鹿島茂著と池波正太郎が愛した焼きそば (抜粋)

神保町 揚子江菜館の上海式肉焼きそばを食べた

 

神田神保町 揚子江菜館は開店10分後には満席状態

 千代田区神田神保町1丁目、神田すずらん通りに面した揚子江菜館は開店11時半。開店後10分もすると一階の7卓あるテーブル席は、ほぼ満席状態。昼飯どき、近くの勤め人風が多く、溢れたお客はどんどん2階に誘導されていきます。

上海式肉焼きそばの「柔らか麺」を迷わず注文

 運よく一階のテーブル席に座れた私は、早速お目当ての上海式肉焼きそばを注文しました。この焼きそばは硬い麺と柔らか麺の二種類があり、周りの客の注文が「柔らか麺」に集中している様子、私は迷わずこれを注文しました。

シンプルな焼きそばは焼きの香ばしさが食欲をそそる

 10分も経たず、柔らか細麺に焼き目がほどよくパリパリ、その上に炒めたもやしと玉ねぎ、細切り豚肉が盛られたシンプルな焼きそばが配膳されました。焼きの香ばしさが食欲をそそります。
 口に入れると、程よい醤油系の味付けと、もやしや玉ねぎのシャキシャキ感がとても美味しい。飽きがこない、いつまでも食べ続けたいと思わせるのは、さすが人気メニューです。 味変で酢をかければ、これまたイケる味となりました。

シュウマイを追加注文、飴がぎっしり、皮むっちりの食べ応えの一品

 ここでもう一品、シュウマイも注文します。私は、上海式焼きそばと同じくシュウマイも池波正太郎の好物だった情報を入手していました。出されたシュウマイは、縦型をした独特の形で驚きました。下記の写真は上方から撮ってしまい、その様子が窺い知れないことは、カメラ心の未熟の極みです。ただシュウマイは、餡がぎっしり、皮はむっちりしていて、食べ応えのある一品でした。
また、揚子江菜館は元祖「冷やし中華」を出す店としても有名です。

「古本食堂」で、古書店と食の神保町に浸る

「古本食堂」は、東京・神保町を舞台に古書店と食をテーマにした小説です。
著者である原田ひ香は、この小説の最終話で「古本屋さんは私たち学者と同じように本や物語といった文化を後世に残す輪です」と古書店を表し、食については「この町が全部『古本食堂』ですよね」と語っています。
 神保町で古書店を営んでいた兄が急逝し、急いで北海道から上京した70代の妹・珊瑚が店を継ぐことになります。そこに親戚の国文学専攻の大学院生・美希喜が加わり、訪れる人々との様々な交流が描かれていきます。客の悩みを解決する古書が一話ごとに紹介され、納得感のある展開が楽しめます。そして実在する飲食店や名物料理が、登場人物の交流や成長に重要な役割を果たしていて、文字通り味わい深い作品となっています。
 

「古本食堂」で紹介された主なお店一覧

 食と文学の街、神田神保町を愛する者にとって、「古本食堂」は街を食で浸るにはうってつけの小説です。この本を参考にして、神保町の各飲食店を食べ歩いてみてははいかがでしょうか。

揚子江菜館 千代田区神田神保町1-11-3 ☎️03-3291-0218
営業時間 11時半から22時 定休 年末年始
🍳上海式肉焼きそば 柔らか麺

笹巻けぬきすし 千代田区神田小川町2丁目12宇田川ビル ☎️03-3291-2570 
 営業時間 10時から18時半(土は17時迄) 定休 日曜
🍳かんぴょう巻、卵焼き

欧風カレー ボンディ神保町本店 千代田区神田神保町2-3 神田古書センター2F ☎️03-3234-2080
営業時間 11時から21時半(土・日・祝日は10時-22時迄) 定休 年末年始
🍳ビーフカレー

Book House Cafe 千代田区神田神保町2-5-3 北沢ビル1F ☎️03-6261-6177
営業時間 11時から18時 定休 なし
🍳グラタン風ハヤシライス、カレーパン

ビアレストラン ランチョン 千代田区神田神保町1-6 ☎️03-3233-0866
営業時間 11時半から21時半(土は20時半迄) 定休 日曜
🍳ランチョン風ポテト料理

プロフィール
morio

著者の名前 morio
 四国お遍路の体験ブログをやりはじめて半年が経った定年おじさんです。
 読書をして現地を訪ねたブログ「本に出ていた場所に行く」も数点出しました。
 今後は趣味のキャンプとヤマメ釣り、居酒屋巡りなども書き綴っていきます。
 

著者情報
・出身 :北海道
・年齢 :67歳(1958年生まれ)
・趣味 :読書、渓流釣り、キャンプ、居酒屋巡り

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