本に出てた場所に行く 石牟礼道子『苦海浄土』、水俣病発端の地「百間排水口」を訪れた
2021年9月、アメリカ人の写真家、ユージン・スミスの水俣での取材体験を描いた映画「MINAMATA」を観た私は、水俣病を語った石牟礼道子の小説『苦海浄土』を読み、水俣を一度は訪ねるべきと強く思いました。その年の12月、九州に行く機会を得た私は、「水俣市立 水俣病資料館」を見学した後、汚染された土壌を埋め立て整備された緑地公園「エコパーク水俣」内を歩いて、小説に出ていた水俣病発端の地点といわれる「百間排水口」に向かいました。 その排水口は、今は浄化処理された排水が流れていました。しかし1932年から1968年まで水銀化合物が流され続けたこの場所を前に、私は心臓の鼓動がいつもより大きくなるのを感じました。
