「空と風と時と 小田和正の世界」を読み、彼のmy hometownで紅茶を飲む

本に出てた場所に行く


 本書「空と風と時と 小田和正の世界」(追分日出子 著)」は、小田和正の楽曲や彼のこれまでの人生を、深く掘り下げた本です。故郷・金沢文庫での少年時代からオフコース時代、そしてその後のソロ活動が日本の音楽シーンに与えた影響が克明に語られています。

 私が小田和正の音楽を聴き続けてから40年以上が経ちました。オフコース時代からソロ活動の今まで、彼の作る曲は都会的で洗練されたものです。その繊細で透明感のある高音ボーカルは、日本のシンガーソングライターの中で唯一無二の存在感を持っています。そして年齢を重ねた小田和正は、最近特に人生や人とのつながりを大切にする楽曲をいくつも私たちに提供し続けています。

 そんな歌を生み出す彼が生まれ育った街がどんな所なのか、彼の「my home town」である金沢文庫の「小田薬局」を訪ねてみました。

追分日出子著 「空と風と時と 小田和正の世界」から抜粋

「ガキのころは、泳いだり、山登ったり、田んぼで遊んだり、そこらへん駆けずりまわっている毎日だったよ。金沢文庫のあたりって、昔は “神奈川で一番空気がきれいなところといわれた。蛍を捕ったりもした」

小田和正は、一九四七(昭和二十二)年九月二十日 、横浜市の金沢文庫駅近くで商売をしている「小田薬局」の次男として生まれた。

小田には、都会派のイメージがあるが、実際は少し違う。もっといえば、家の中には「都会人を自負する父」と「山深い田舎から出てきた母」の二つの文化があった。さらに、その母と同郷の若い人たちが数多く住み込みで働いており、いうなれば都会と田舎が混在する。”疑似大家族のような環境のなかで育った。

「金沢文庫駅」東口から、すずらん通りを歩くと、そこに小田薬局がありました

 「小田和正ファンにとって、ここはまさに聖地なんだろうな」という思いでいささか緊張して訪ねました。
京急本線、金沢文庫駅。東口から出てすぐ、すずらん通り商店街を2分も歩くと、やがて右手に小田薬局があります。
 
 お店は茶色に塗られた木壁に、右横書きの店名看板が掲げられ、お洒落だけれどレトロな作りが何とも懐かしい気がします。店の前には今は懐かしいサトちゃんムーバーが置かれ、昭和感を増してます。

店の前を、地元と思われるたくさんの方々が素通りしていきます。
「ここがアノ、小田和正の実家とみんな知っているのか?」
オノボリさんの私はそう思うのでした。

 サトちゃんの後ろに「弐階 紅茶飲処」の木札がかかっていました。薬局での買い物が今日は特に無い私にとって、救いの看板です。さっそく入ってみました。

2階は紅茶メインの喫茶室。カウンター、テーブル席は静かで落ち着けます

 店は一階が薬局営業のみ、階段を上って2階が喫茶室で紅茶メインの店となっており、店内の写真撮影は禁止と言われました。(なので、ここから先、残念ながら店内の写真はありません)

 階段を上がると左手の外にテラス席があり、テラス席の向こうには金沢文庫駅のホームが見えます。階段右手が喫茶スペースで、カウンター4、5席とテーブル席が3つほどあり、店内には静かにBGMが流れてます。

 紅茶とケーキを注文すると、店の方から、「昔、2階のあの辺りに」と指差しながら「小田和正さんの部屋があったんですよ」と教えていただいた。その話を聞いて感慨に耽っていると、いつの間にかオフコースの「生まれ来る子どもたちのために」が店内に流れはじめていました。それが、お店の静謐な雰囲気に合って感動ものでした。

都会と田舎が織りなす「my home town」が、彼の楽曲作りの背景にある

my home town (ショートバージョン) 抜粋

ここで夢を見てた  この道を通った

できたばかりの根岸線で 君に出会った

まだ人の少ない 朝の駅のホームで

待ち合わせた短い時  次の電車が来るまで

my home town  my home town

海に囲まれて こゝで生まれた

僕らの好きだった あの店も もう無い

あの頃の横浜は遠く  面かげ残すだけ

my home town my home town

どんなに変っても 僕の生まれた街

どんなに変っていても

 my home townに歌われた根岸線は、彼の母校、神奈川の聖光学院に通う交通機関でした。小田和正は、後にオフコースを共にする鈴木康博と聖光祭で歌ったといいます。これが彼らの音楽への道につながるキツカケになったのは確かだったようです。
 ちなみに、聖光学院はドラマ「御上先生」の舞台にもなりました。

 my home townを歌った小田和正が、あるコンサートで涙していたのを映像で見た事がありました。彼が涙したのは何を思ってだったのか、知る由もありませんが、音楽を通して故郷を見直した時、彼の胸中に迫るものがあったのでしょう。歌の中で、新しい故郷が生まれた瞬間だったのかもしれません。

プロフィール
morio

著者の名前 morio
 四国お遍路の体験ブログをやりはじめて半年が経った定年おじさんです。
 読書をして現地を訪ねたブログ「本に出ていた場所に行く」も数点出しました。
 今後は趣味のキャンプとヤマメ釣り、居酒屋巡りなども書き綴っていきます。
 

著者情報
・出身 :北海道
・年齢 :67歳(1958年生まれ)
・趣味 :読書、渓流釣り、キャンプ、居酒屋巡り

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