焚き火の炎を見つめながら、ケトルの湯がチリチリと音を立てる。その何気ない時間こそが、シニアキャンプの真骨
頂かもしれません。今回は「焚き火とケトル」の関係を通して、ヒロシさんのような静かで本質的なソロキャンプの
魅力を、体力に無理のないスタイルで探ります。

1. 焚き火は“観賞”から“調理”へ|ケトルが火と遊ばせてくれる
ソロキャンプを始めてしばらくすると、焚き火をただ「燃やすだけ」の時間に飽きがくることがあります。火は本
来、生きるための道具でした。ヒロシさんの動画を見ていても、火は彼にとって「遊び」ではなく「暮らしの一部」
に見えます。無骨だけど自然体。そこに、年齢を重ねた今の私たちが共感できる“温度”があります。
私自身、焚き火に手を出した頃は、ただ燃やすことに夢中でした。でもある日、小さなケトルを火にかけて、湯が沸
く音に耳を傾けてみたんです。チリチリ、シュンシュン…。そのリズムが心地よくて、急に「火と自分が対話してい
る」ように感じた瞬間がありました。
焚き火の魅力は、音、香り、光、熱、そして時間の流れを五感で受け止められること。そこにケトルが加わると、た
だの炎が「生きた道具」へと変わります。特にシニア世代にとって、手間のかからない小さなケトルは、火とつなが
る最良の“媒介”です。湯を沸かす、その行為自体が、無理なく自然とキャンプのリズムを整えてくれるのです。
2. ケトルがくれる“小さな余白”と“おいしい習慣”
シニアになってくると、何をするにも「余白」が大事になります。若い頃のように、あれもこれもと詰め込まず、一
つの動作に静かな満足を感じられるようになってきた方も多いはず。ケトルは、そんな時間を自然と生み出してくれ
る不思議な道具です。
私が使っているのは、Colemanのパックアウェイケトル(0.6L)。ヒロシさんが愛用しているギアでもあります。軽
量で場所を取らず、湯量もちょうどひとり分。つまり“ちょうどいい”んです。
たとえば朝。起きたら焚き火に火を入れて、ケトルに水を注ぎ、ゆっくりと湯を沸かす。その時間はスマホも時計も
いらない、ただ火と湯と自分だけの小宇宙。豆から挽いたコーヒーでもいいし、粉末スープでもいい。とにかく「湯
を沸かす」という行為が一つの“朝の儀式”になります。
そして夜。日が沈んで焚き火の炎が赤みを帯びる頃、またケトルを火にかける。ちょっとした焼酎のお湯割り用で
も、燗酒用の「ちろり」でもいい。

ケトルは、一日の締めくくりにぴったりの“終わりの道具”にもなるんです。
火にかけて待つ。それだけで心が整う。これは、おそらく若いキャンパーにはまだ理解しづらい、年を重ねたからこ
そ得られる感覚だと思っています。
3. 道具は少なく、味わいは深く|マイルド無骨のすすめ
ヒロシさんのスタイルに憧れて道具を揃えたものの、「全部持っていくのはしんどいな…」と思ったこと、ありませ
んか? 私も同じでした。あの無骨なギアの数々は本当にかっこいい。でも、シニアキャンパーにとって本当に必要
なのは、「軽さ」と「扱いやすさ」と「納得のいく使い心地」です。
だから私は今、焚き火+ケトルだけの時間を、あえて選んでいます。クッカーやストーブを使わないと、荷物は格段
に減ります。そしてそのぶん、焚き火とケトルの関係にじっくり向き合えるんです。
おすすめギアとして一点だけ紹介したいのが、前出のColeman パックアウェイケトル 0.6Lです。これを選んだ理由は
3つ。

1つめは、焚き火でもストーブでも使える耐久性。
2つめは、握力が落ちても注ぎやすいバランスの良さ。
3つめは、パッキングしやすい折りたたみハンドル。
道具を絞ると、その一つひとつに愛着が湧いてきます。キャンプに必要なのは「多さ」じゃなくて「深さ」なんです。
焚き火に当たりながら湯を沸かし、ケトルの中で跳ねる水の音を聞く。火の温度と、沸騰のタイミングを肌で覚え
る。その経験が、自分だけの“キャンプの味”になるんじゃないでしょうか。
ヒロシさんのような、語らずして伝わる「静かなかっこよさ」は、道具の数ではなく、向き合う時間の質にある。そ
う思っています。
思い入れが強い文章となってしまいました。



コメント